
◯よいこってどんな子?日本人の母親が考えるよいことは
名古屋の臨床心理士いまいです。
今日は子育てのことを書きます。
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「あの子は“いいこ”だなあ」
そう思うのはどんな子ですか?
素直な子
親切な子
規則が守れる子
いろんな考えがあると思います。
日本とアメリカでも
この「よいこ像」は違うといわれています(東ら,1981)
たとえば
日本の母親はアメリカの母親にくらべて
- 「従順」(例:親からいけないといわれたら、なぜなのかわからなくてもいうことを聞く)
- 「感情の抑制」(例:欲求不満な時でも泣かずに我慢できる)
などへの期待が高いことがわかっています。
また、アメリカの母親は日本の母親にくらべて
- 「言語的自己主張」(例:意見等を聞かれたら、はっきりと述べる)
- 「社会的能力」(例:友達を説得して、自分の考えやしたいことを通すことができる)
などへの期待が高いことがわかりました。
少し古い研究ですが、今でも同じような傾向がみられると思います。
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この結果をきいてどう思いましたか。
私は、この日本人のよいこ像のままでは「自分らしく」生きていくのは難しいと感じました。
もちろん、社会でいきていくためには、従順さや協調性は大切な能力です。
でも、それを強く求めすぎると
子どもは、自分よりも相手のことばかりを考えるようになります。
「本当はこうありたい」と思っても、親の顔色を気にしてふみだせない
自分の人生なのに
自分が「主人公」の人生ではなくなってしまいます。
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数年前、ディズニー映画「アナと雪の女王」の中で
「ありのまま」
という言葉がとてもはやりました。
あそこまでヒットしたのは、みんな本当は「ありのまま」にいきたいからです。
みんな本当は「ありのまま」に生きたい。
でも、それができないのは、自分の考えを主張するよりも、従順さや協調性ばかりを「よいこと」として教育されたからではないでしょうか。
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相手を思いやる気持ちはもちろん大切です。
でも同時に
自分を大切にする
自分の心を大切にする
ことも子どもたちに伝える必要があります。
そして、そのためには、親である私たちもそうあることです。
なぜなら、子どもは親の姿をみて学んでいくからです。
